ゲゲゲの女房

NHKの朝ドラ「ゲゲゲの女房」が終わった。
半年間、見続けてきて、実にしみじみとしたラストシーンだった。


朝ドラというと、女性が頑張って挫折と成長を繰り返すパターンが
多かったのだが、今回は専業主婦が主人公である。
これが受けたということは、何を意味しているのだろうか? 


私は、高度成長期の物語を斜めにずらしてみたのが良かったのだと
思う。


ゲゲゲの女房」で、最も苦労しているのは夫である。
本来は、この苦悩や挫折を主人公が経験しなければならない。


しかし、それをサポートしていく役割が視聴者のハートをがっちり
つかんだのではなかろうか。


自分には超人的な努力をする根気も才能もないけれど、何かの役に
立ちたい、という気分が、いまの世相を反映していると思う。


そして、専業主婦というのは、数字で結果が出るような仕事ではない
ので、あまり褒められない役割である。


だから、最終回の週では、主人公のことを周囲の人がことさら「よく
がんばったね」「ありがとう」とねぎらっていたのである。
この言葉が視聴者の主婦の心を打ったに違いない。


朝ドラが迷走していた時期は、たいてい舞台が現代で、主人公の若い
独身女性が空回りをしていた。


ということは、
1.舞台を高度成長期などの過去から現在までにする
2.受身の女性にする
3.イケメンの俳優を夫にする
という三原則を守れば、手堅いヒットが狙えるのではないだろうか。


次回作の「てっぱん」は、また迷走しそうな気がする。