- 作者: 双葉十三郎
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2003/04/01
- メディア: 新書
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戦前から膨大な量の映画を見て、点数表をつけていたが、晩年にいたるまで
まったくブレがなかったと思う。
彼のような映画評論家が存在しえたのは、ビデオやDVDが普及しておらず、
映画館で映画を見るしかなかった時代であろう。
つまり、時系列的に映画を鑑賞する時代の最後の巨星だったと言える。
現在は教養がバカにされるので、文学でも映画でも、この名作を鑑賞して
おかなければ話にならん、ということはない。
むしろ、ほとんど誰も知らないような作品のディティールを語って得意に
なるような、悪い意味でのオタクさが横溢している。
いや、そういう人もいなくなって、みんなが勝手にいろんなものを見て、
勝手に語っている状況かもしれない。