私は小学生には国語を教えているのだが、小５の子が
「センセー、算数おしえて」
と言ってきた。
いちおう、算数の先生に聞かないの？ と言ってみたが、理系担当は
致命的に教えることが下手なので、何が分からないのか訊いてみた。
すると、垂直と平行の概念を理解しているかどうか、という問題だっ
た。
例えば
A・
__________________________________（ア）
点Aを通り、（ア）の直線と垂直な線を引きなさい、というやつ。
ふつう分かりますよね？
でも、その子はAを通って、斜めに線を引いていた。
垂直というのは90°になる線のことだよ、と分度器を使って教えて
あげると、あ、それのこと？ と分かったようだった。
じゃ、平行というのは何だろう？ 一本の線があって、もう一本の
線がある。このとき、二つがずーっとまっすぐ行っても交わらない
ことだ、という話をした。
こんなんで納得してくれるだろうか、と思ったが、やはり分かった
と言った。
じゃあ、理系担当は何をしていたんだ？ という疑問がわくが、そ
れはまあ後にして、問題をどんどん解かせていった。
幸い、私に質問した子はすぐに分かってくれたからよかったものの、
もし垂直や平行の概念をゼロから教えなければならないとすると、
どのくらい大変だろうか。
幾何学は、ある種、直感的に分かってしまうものだから、理屈で分
からせようとすると逆に難しいと思う。
小学校の先生はどうやって教えているのでしょうね。
