ベスト☆きらり

このCDを聴くと、久住小春は食パンのようにプレーンなアイドルでは
ないかと思う。
プレーンだからこそ、様々なタイプの楽曲を唄いこなせたのではない
だろうか。


アニメ「きらりんレボリューション」の主題歌とエンディングを全て
集めたのがこのアルバムで、最初は正統派のアニメ主題歌で始まる。
ところが、二曲目の「バラライカ」から、ロシア民謡風の曲調になり、
続く楽曲も、中東風のメロディやフレンチポップ、スコットランド
謡っぽい曲と非常にバラエティが豊かだ。


子供向けのアニメなので、製作者はなるべく多くの種類の音楽を聴か
せたかったのだろう。ある意味、とても教育的である。
久住小春は、ひとりでNHKの「みんなのうた」をやっていたようなもの
だ。


ただ、大人の事情かどうかは分からないが、ワールドミュージック
線は途中から専らエンディング用の曲になり、オープニング曲は明る
く元気のいい曲調がメインになっている。
パパンケーキ」の異常なテンションの高さは、きらりちゃん大丈夫
か? と思わないでもなかった。


また、きら☆ぴかというユニットは、明らかに迷走していた。
はなをぷーん」は奇妙な曲で面白かったのだが、子供にとってはどう
だったのだろう。


終盤になると三人組のミルキーウェイの楽曲になる。
「タンタンターン!」は後に語り継がれる名曲だと思う。
タンバリンを子供に買わせようとする戦略が見え見えかもしれないが。


きっと、「きらりんレボリューション」を見た女の子たちの世代は、
大人になっても主題歌を忘れないだろう。
久住小春がそのころどんなことをしているかは分からないけれど、き
っと再評価をされるはずだ。


初回限定盤には、全主題歌のプロモーションビデオが収録されたDVDが
付いている。お買い得というしかない。
私は、きらりちゃんが大好きという塾の生徒に、このCDを貸してあげ
たいのだが、塾の先生がそんなことをしてはいけないので、ぐっと堪
えているのです。