OJOKA

松山の郊外に大型ショッピングモールができたせいか、中心部の繁華街の客離れが
進んでいるらしい。
そこで、商店街やデパートが中心になって、新たなイメージキャンペーンをするよ
うになった。


そのキャッチフレーズが「OJOKA」(お城下)だそうだ。
「おじょうか」という言葉は、おそらく広告代理店かコンサルタント会社が考えた
ものだろうが、私は違和感があって好きではない。


おそらく多くの人もそう感じるだろうが、何年も繰り返しているうちに浸透してく
るという計算なのだろう。


たしかに市の中心部にある松山城は重要なランドマークである。
しかし、江戸時代じゃあるまいし、みんなが松山城を意識して生活しているわけで
はない。
何事も保守的な松山の人の心情にはぴったり合うと思ったのだろうか。


言うまでもないが、商店街に客が来なくなったのは、商店街の店そのものに魅力が
なくなったからである。
これは全国の地方都市で共通することだが、地権者である店主が高齢化して、新し
いことをしようにもできないのが大きな要因だ。


かといって、全国チェーンの店ばかりになってしまうと、商店街の個性もなくなっ
てしまう。大阪のような大都市でもそのような現象が起こっている。くいだおれ
形の店が廃業したのもその一例だろう。


私のようなオッサンにとっては、わざわざ商店街に出かけていってまで買いたいも
のはほとんどない。
近所で買うことができるようなものを売っていてもしょうがないだろう。


例えば吉祥寺のアーケード街のように、そこでしか買えない食べ物とか、サブカル
チャー的なグッズがあれば別だが、若者の人口も相対的に少ない松山では、そのよ
うな店を出すにもリスクが大きいのかもしれない。


夏季には土曜夜市やまつやま祭りのようなイベントがあるから、けっこう賑わって
いるけれど、通年の行事としては何もないに等しい。
自転車も押して歩かなければならないし(守っている人はほとんどいないが)、商店
街の人が本気で客を集めようとしているのかも疑わしい。


私たちは、OJOKA なんて言葉で、そう簡単には騙されたりしないのである。
たぶん。