- 作者: 谷岡一郎
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2008/04
- メディア: 新書
- 購入: 9人 クリック: 29回
- この商品を含むブログ (25件) を見る
SF好きな人には、虐げられたゆえの選民思想があって、それが一般の人を
遠ざけている要因ではないかと思う。
この本は、著者と二人の若者の対談形式で語られているが、そのうちのひ
とりが典型的なSFファンの語り口で、読んでいて不快になる。
SF意外のジャンルでもこのような人はいるけれど、私の中ではわりとSF好き
の人にこの手の嫌なタイプが多いような気がする。
気のせいだと思うが。
例えば、クラシック音楽とかジャズなどの入門書でも同じようなことが言
えるけれど、ジャンルに対する愛が深すぎて、逆にとっつきにくくなって
いるところがあるのではなかろうか。
SF小説は絶版が多くて、名作といわれるものでも入手困難なものが多いと
いう。
純文学やミステリ小説でもそうなのだろうか。
もし、SF小説に絶版が多いとしたら、それは大衆に受け入れられなくなっ
たということか。
そのうち人形浄瑠璃や能のように、好きな人はいるけれど、ほとんどの人
は知らないものになっていきそうな気がする。
日本では、まだマンガやアニメがあるから、SFっぽいものは生き延びると
思うが、純粋なSF小説はなかなか厳しい状況にあるのだろう。
SF小説の本場(?)米国では、どのような境遇で読まれているのだろうか。
気になるところだ。