庇(ひさし)

雨の日に気がついたことがある。
コンビニを出たとき、ちょっと傘をさそうとして立ち止まったら、意外と庇が狭い。
80cmぐらいしか出っ張りがないように思う。


コンビニの建物はどこも同じようなものなので、たぶんマニュアルか何かで決まって
いるのだろう。
そこには、雨宿りをするという発想はない。


店の経営者からすれば、ドアから一歩出たら、そこはコンビニとは関係ないスペース
である。これ以上サービスしても意味はない、ということだろうか。
経済的にはその通りだろう。


しかし、庇があるおかげで、ほっと一息つけたりすることもある。
雨の日にクルマから降りて店に入るときも、庇があった方が少しは濡れずにすむので
はなかろうか。


コンビニとしては、せっかくガラス張りにして明るくしているのに、わざわざ庇をつ
けて暗くするのはバカげているし、長い庇をつけると燕が巣を作って下が糞で汚れる、
という理由があるのかもしれない。


昔は手動でくるくるペダル(?)を回して伸ばしたり引っ込めたりする庇があったものだ。
ああいうのは時代遅れなんだろうか。
けっこういいと思うのだが。


そもそも、最近は雨宿りをするという習慣がなくなってしまったから、庇の短い建物
ばかりになってしまったのか。
さだまさしの「雨宿り」なんて、けっこう名曲だと思うのだが、今の若者が聴いても
意味が分からないかもしれないな。