米国のテロリスト

貧乏な国には、その国の政府を転覆させようとする勢力がいるもので、実際にクーデターなどが
発生して権力が入れ替わることがある。


一方、先進国では選挙を介して政権が交代することが多い。
たとえ国に対して反逆の意図があったとしても、暴力でねじ伏せようと考える人はあまりいない
だろう。


しかし、オウム真理教のように、マジで国家転覆を企んだテロリストがいたのだから、各国の政
府は国家反逆の対応をそれなりに考えているはずだ。


ところで、米国には国家転覆を企む人はいなかったのだろうか。
米国で生まれ、米国で育ちながらも、激しく祖国の政治体制を憎む人がいたに違いない。
そういう人が結社をつくって反政府組織を作り上げた、という話を聞いたことがないけれど、実
際はどうなんだろう。


初期の共産主義革命を目指す人々は、本気で革命を起こそうと思っており、実際にロシア革命
成功したものだから、我も続けとばかり訓練をしていた。
浅間山荘事件の連合赤軍もその一つだったはずだ。


このようなゲリラ的な組織は米国では生まれにくいように思える。
それはなぜか? 


まともに考えると、米国でクーデターを起こすということは、世界最強の軍隊を相手にしなけれ
ばならないということであり、そんなことは不可能だと判断するだろう。
たとえ軍人がそう思ったとしても、米軍の組織を掌握することはやはり不可能だと思う。


なにも米国だけではなく、先進国ならどこでもそうだろうけど、豊かな国はいくら政府が憎くて
も、生活を犠牲にするようなことを考えないのだ。たぶん。


もしかすると、現在はベルギーのように分離・独立の問題を抱える国の方が多いのかもしれない。
あるいは極右勢力が、政治的に不満のある層を吸収しているのかも。
これらの現象はヨーロッパによく見られるけど、米国ではどうなんだろう。


そもそも米国では各州が独立しているようなものだし、極右勢力はKKKのような白人至上主義団
体にあたるから、政治的に表面化することはないだろう。
米国の持つ暴力は、内部ではなく外部に発散されることで不満を解消しているのかもしれない。