義理チョコ

もうバレンタインデーにチョコを贈る習慣はやめればいいのに、と思う。
女子から告白するドキドキ感というのは、いまも変わらないかもしれないけれど、もはや
2月14日だけのイベントではあるまい。
毎日がバレンタインデーといってもいいはずだ。


いまだにこの時期になると、バレンタインデーネタのマンガが載っており、ジャンプで連
載されている河下水希のやつなんかは微笑ましいものがあるが、ほとんどのものはやり
つくされた感がある。


いまの中学生たちは「友チョコ」を女子同士で贈りあう習慣があるらしく、もうそれでい
いんじゃないかと思う。
もっとも、どこまでが友だちか、という線引きが難しいらしいが、そのあたりは勝手にや
ってほしい。


いちばん迷惑なのは「義理チョコ」だ。
これは贈る方も贈られる方も何の意味もない、日本独特の奇習である。
だいたい英語で「義理チョコ」って訳せないもの。


敢えて英訳しようとすれば『あなたを仲間はずれにしているわけではない、ということを
確認するために贈るチョコレート』というのを英語にしたものだろうか。
ともかく、一言では説明できまい。


これを細やかな人間関係に気を配る、美しい習慣ととらえる人もいるかもしれないが、オッ
サンにとっては鬱陶しい限りだ。
はっきり言えば、あてつけがましいのである。


私ってこんなに気を配れる可愛い女でしょ、と言わんばかりのふるまいにはうんざりする。
まあ、こういう解釈は受け取る側に悪意があるかもしれないが。


それでも、子供がお父さんにあげるとかは、まだ可愛げがある。
チョコレートは家族とか恋人限定でやってほしい。