過重労働

外食産業の店長が管理職かどうかをめぐる裁判で、経営者側に不利な判決が出た。
私はとあるフランチャイズ店の裏側を覗いたことがあり、外食産業の過酷さを少しは知って
いる。


なぜ過酷かといえば、長時間、店を開けておかねばならないことが第一の原因だろう。
もう一つは、仕事量に対して人数が少なすぎることが考えられる。


これは消費者の側からみれば、いつ行っても開いていて、しかも安いものを食べることがで
きるというメリットになる。
便利で安くておいしいのだから、流行らないわけはない。


だが、こうした一方的に消費者だけがメリットを享受するシステムは、そろそろ限界に達し
ているのではなかろうか。
外食産業だけではなく、SEや医師も現場で悲鳴をあげていると聞く。
便利さや快適さを求めるあまり、そこで働く人を再起不能にするのはおかしい。


ということは、私たち消費者は、不便さをある程度は引き受けなければならないということ
になる。
ほとんどの店は夜中に閉まっているのが当たり前だし、サービスが遅れても我慢する必要が
あるだろう。


そういう私自身も、買い物をしていたり外食するときに、イラッとすることはある。
そのたびに、自分はそこまで偉いのか、と思う。
そして、イラッとするまで甘やかされていることに愕然とする。


たまには愛想よくしても、されてもいいと思うが、自分ができることはこの程度だ、と見
抜いて、過剰なサービス・過剰な労働から働く人を守らなければなるまい。
いつ自分がサービスを提供する側にまわるか分からないのだから。