凧あげ

近頃、お正月に凧あげをする子供をちっとも見なくなってしまった。
凧をあげるためには、広い場所が必要なのだが、いまだと河原ぐらいしかないだろうか。
私が子供のころは、田んぼでよく凧あげをしていたものだが。


70年代の少年にとっては、凧といえばゲイラカイトだった。
「ヒューストンからやってきた!」というキャッチフレーズで、今まで見たこともないような
変な形の凧が発売され、凧に貼り付ける目玉も人気だった。


たしか私もひとつ買ってもらったと思うが、あまり上手にあげられなかったような気がする。


いま思えば、なんであんなにむやみに凧あげをしていたのか分からないけれど、テレビゲーム
がない時代は、そんなことぐらいしかすることがなかった。


テレビでは、電線にひっかかった凧は絶対に取ってはいけない、というコマーシャルが流れて
おり、子供ながら恐怖したものだ。
今はそんなコマーシャル自体を見ない。


マンガの中では「ドラえもん」で凧あげの話がよく出てくる。
のび太がうまく凧をあげられないところから始まるエピソードは、いくつもあったと思う。
今の子が読むと、不思議に思うだろう。


ただ、うまく凧があがると、なんだか知らないけれど嬉しくなったものだ。
ぐんぐん上昇していく凧を、自分が握っている糸一本でコントロールできる快感というのだろ
うか。
上空の遠くまで行って、小さくなってしまった凧を見ると、誇らしくなった。


今ならゲイラカイトを上手く操れるかもしれないが、オッサンが河原で凧あげをしていても、
不気味なだけかもしれない。
ググると、今でもちゃんと売ってるんですね。945円(税込み)という値段は高いのか安いの
か。


懐かしくなって買い求め、子供に凧あげをさせる親がいるかもしれない。
羽子板や独楽まわしといった、正月の記号は消えてしまったけれど、意外と凧あげは復活しそ
うな気がする。