中学生に英語を教えていて、どうも気になることがある。
気になるというよりはイチャモンに近いのだが、英語の文章に登場する中学生は、あまりに
模範的すぎるのだ。
例えば
I study English every day. (私は毎日英語を勉強します。)
なんていう文が出てくるが、いまどきの中学生は基本的に家庭学習時間がゼロに近い子が7割
ぐらいいる。
今日やった長文問題では、公園でボランティア活動をするお年寄りたちを見て、自分も参加
する少年の話が載っていた。
そりゃ、そういう子もいるかもしれないが、普通の中学生は逆にボランティアが拾う空き缶
をそこらへんに捨てる立場だろう。
こういう文章を訳していても、なんだか虚しい気分になる。
限られた単語と文法で、もっと面白い話を書けと言われるのも辛いだろうが、教室では退屈
なので英語そのものが嫌いになる子もいる。
そのあたりは、実際に授業をする側のテクニックの問題かもしれない。
変な英文にはツッコミを入れて笑いをとるのも、その一例だ。
ただ、本当にリアルな中学生の英文を登場させても困るかもしれない。
I have been absent from school for two years. (私は二年間学校を休んでいます。)
えーと、登校拒否? みたいなのが出てもちょっとなぁ。
これで現在完了形を覚えてくれたらいいけど。
たしか清水義範が「永遠のジャック&ベティ」で、英語の教科書の文体のパスティーシュを
やっていたっけ。
あれはけっこう面白かった。
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