よく雑誌などで、ホテルのランキングが載っている。
私は基本的にホテルなんて、ベッドと風呂とテレビがあればそれでいいと思っているから、
あるレベル以上のホテルになると違いが分からない。
というか、ゴージャスすぎると逆に落ち着かなくなる。
俺みたいなものがこんなところに泊まってすいません、と卑屈になってしまうのである。
だから、豪華ホテルの良し悪しを評論している人は、よほど贅沢に慣れているのだなぁ、と感心する。
そういう人は、たぶんメイドや執事などに何のためらいもなく命令できるタイプだと思う。
私は部屋にメイドなんかいたら緊張してリラックスできない。早く一人になりたいから、出て行ってほ
しい、とお願いするだろう。
他人に命令できる人は、学生時代からそうなのだと思う。
おい、アンパン買ってこい、とパシリに行かせる奴はもちろんだが、そういう人でなくても、部活の後
輩を呼び捨てにできる人も素質がある。
(私はひとりを除いて呼び捨てにはできなかった)
社会人になっても、部下を持ったことはほとんどないけれど、目下の人に対してもなるべく敬語で接し
てきたため、舐められることも多かった。
そういう人間が、ゴージャスな空間をガハハと満喫できるわけはないではないか。
いったいどういう分岐点で、人はガハハ派とオドオド派に分かれるのだろう。
自分に自信があるかないか、ということだとしたら、親が肯定的に育てたか否定的に育てたかの違いだ
ろうか。
そうすると、このごろの若者はガハハ派が多いのかもしれない。
国際的にみると、白人はほとんどガハハ派である。特に英国人や米国人は、世界が自分のものだと心か
ら思っている人が多い。彼らがホテルを経営するから、部屋もゴージャスなものが主流になっているの
かもしれない。
アジアでガハハ派なのは、中国・韓国だろう。
ていうか、世界の中でオドオド派は日本人ぐらいなのではなかろうか。
日本国内の比率でいうと、ガハハ派が3、オドオド派が7ぐらいで、対外的にはオドオド派に見えるの
ではないかと。
外国ではその比率が逆になっていて、オドオド派が少数になるのだろう。
これって文化の違いなのか、それとも脳内物質の分泌の違いなのか、誰か研究してほしいものである。
で、誰でもしばらくガハハ派になれる薬を作ってほしい(ていうか、それは向精神薬ですな)。
でないと、オドオド派は生きている心地がしなくなる。それほど迫害されているのだ。
だが実は、根がオドオド派だが表面上はガハハ派のふりをしている人も多いはずで、そういうややこし
いことを言い出すとわけが分からなくなるから、このへんでおしまい。