キリバン考

連続した数字を好む人がいる。
電話番号を「1234」にするとか、ブログのアクセスカウンターが100万に達したらお祝いするとか、
2月22日や11月11日などを**の日にするとか、自動車のナンバープレートを「7777」にするなど。


こういうキリのいい数字のことを「キリバン」と呼んでおり、なぜか珍重している。
人はなぜキリバンをありがたがるのだろう。


まず、連続した数字はレアであることが共通認識されていなければならない。
気が遠くなるほど続く自然数の中で、自分が目にしているものは特別なものだ、と思わなければ、
誰もそれを見てラッキーとは思うまい。


レアなものを自分だけが目撃した、あるいは所有したという優越感は、他のアイテムでも同様に見
られることである。他人との差異を感じてはじめて豊かさを実感する、という心理だ。
キリバンそのものには何の意味がなくても、他人が持っていないものをゲットしている事実そのも
のが、持っていない人の欲望を刺激するのだろう。


もうひとつは、数字に対する魔術性というか呪術性というようなものを信じているからだと思う。
4が死と同じ読み方をするから禁忌したりするのは、その一例だ。
ホテルの部屋の番号などで、4が省かれているところも見かける。
キリスト教圏の13も同様なのだろうけど、これはどのくらい実例があるかは知らない。


逆に中国では8が発と同じ読み方なので、とてもいい数字なんだそうだ。
ラッキーセブンという言い方は、野球のイニングからきているのだろうか、7は日本人に好まれて
いる。もはや野球とは関係なく、幸運のナンバー扱いだ。


ところで、キリバンをこれほど好むのは日本人だけなのだろうか。
憶えやすい電話番号などに使われることはあるだろうが、日本人ほど熱心でないような気がする。
日付に関しては、1月、2月と記述するのは日本や中国などであり、January、Februaryと記述してい
る国にはキリバンがないだろう。


自動車のナンバープレートにしても、米国などはアルファベット+数字の組み合わせであり、数字
だけのキリバンをありがたがることはないと思う。
あ、中国は8のナンバープレートが高値で取引されているという話を聞いたことがあるけど。


そうすると、数字の呪術性という考え方は、意外と正しいのかもしれない。
漢字文化圏の方が、そうでない地域よりもキリバンが好きだ、という仮説を立ててみたので、誰か
検証してみてください。


本文と写真はまったく関係ありません

日付は去年のものです