コールドゲーム

高校野球は特に興味がないのだが、たまたま新聞の地方予選の欄を見ていたら、19日に行われた
神奈川大会で、上鶴間高校が大楠高校を53-0で下していた。
野球で53点を入れるのもなかなか大変なことである。
気になったので、イニングごとの得点を調べてみた。

チーム 1回 2回 3回 4回 5回 合計
上鶴間 10 15 0 7 21 53
大楠 0 0 0 0 0 0


5回コールドゲームである。
3回表でなぜ上鶴間が無得点だったのかが謎だが、その後も鬼のように攻めており、5回には
なんと21点も入れている。大楠のピッチャーはどうなっていたのだろうか。


ちなみに、高校野球地方大会での最多得点記録は、98年の青森県大会で東奥義塾高校が奪った
122点だそうだ。
このときは7回コールドゲームで、1回に39点も入れている。相手の高校は完封されていた。


Wikipedia によると、アマチュア野球で点差のついた試合をコールドゲームにすることについて、
「2000年度から日本高野連からの通達により『5回以降は10点差以上、7回以降は7点差以上ついた
場合』と全国で統一されている」のだそうだ。


建て前では、どんな相手に対しても全力で挑むのがスポーツマンシップだとされている。
しかし、上記のような場合はどうなんだろうか。
私は、戦時中に米軍に対して竹槍で挑むような、いびつな精神主義を感じる。


高校野球は、アマチュア同士の競技とはいえ、本気で甲子園を目指しているチームと、学校の部活レ
ベルのチームでは戦力に格差がある。
いわば、甲子園に行くチームはアマチュアのプロで、フツーに野球をやっているチームはアマチュア
のアマチュアなのだ。


そのアマチュアがプロと試合をすれば、何十点も叩き込まれるのは当たり前だ。
それでも戦いを挑む意味がわからない。
大楠高校の選手たちは、それでも野球が楽しいと言えるのだろうか。美しい汗を流したと言えるの
だろうか。


得点差でのコールドゲームは、ボクシングでいうならセコンドがタオルを投げることである。
規定では5イニングはめった打ちにされなければ、タオルを投げ込めないことになっている。
野球に絶対はないとはいえ、これだけ実力の差があったら、1回の裏までに10点差ができた時点で
コールドゲームを宣言した方がいいのではなかろうか。


あるいは、プロの方が空気を読んで、最初のイニングで大量得点した後は、5回までさっさと終わら
せるために、みんな三振して早く終わらせてもいい。
相手に対する敬意は、実力が伯仲していて成り立つものだと思うのだ。
暑いとき、お互いムダに体力を使うこともなかろう。


本文と写真はまったく関係ありません

ル ’ー’リ<アマチュアがプロに挑むのは100年早いんですぅ