食品不信

ミートホープが血祭りにあげられている。
たしかに悪いことをしたのだから、しょうがないのかもしれないが、昔なら会社が潰れることは
なかっただろうと思う。


というのも、ふと森永ヒ素ミルク中毒事件を思い出したからだ。
調べてみると、1955年に発生しており、133人が死亡、1973年まで刑事裁判が続いていた。
この間、森永乳業はシェア1位の座を雪印に奪われているが、会社が倒産することはなく、現在
でも牛乳の製造・販売を続けている。


もし、この事件がいま起こったらどうなっていただろうか。
おそらく、雪印乳業のように全方位からバッシングを受け、会社は存続できなかったのではない
かと思う。


現在では、マスコミが正義面をして過失を断罪しているが、昔はどうだったのだろうか。
例えば、水俣病の原因をつくったチッソ昭和電工イタイイタイ病の原因をつくった三井金属
鉱業は現在でも存続している。
教科書に載っているような公害病を発生させたにもかかわらず、である。
当時は企業をバッシングするようなポピュリズムはなかったのだろう。


翻って、こないだの不二家の騒動は何だったのか。
幸い会社は潰れなかったものの、かなりダメージを食らったはずだ。
今ではスーパーにルックチョコレートが普通に入荷しているが、一時期は不二家のお菓子は撤去
されていたのである。もう忘れてしまったのだろうか。


不二家にしてもミートホープにしても、死者は出ていない。
雪印のように食中毒患者が出たわけでもない。
なのに、マスコミがヒステリックになるのが不思議でしょうがないのである。


米国産牛肉の輸入についてもそうだが、なぜか食品に関する報道は冷静さを欠くことが多い。
もちろん、安全な食品を食べられることにこしたことはないのだが、このような反応のしかたは
一種の病的な症状ではないかと思う。


そういえば、食品と同様にタバコの受動喫煙についても気が狂ったような報道があるが、これは
先進国特有の精神疾患ではないだろうか。
ビリーズ・ブート・キャンプが流行っている現象と裏腹であるような気がしてならない。


本文と写真はまったく関係ありません

森永乳業のホモちゃん