老芸人

先日「さんまのまんま」が放送1000回を迎えたということで、スペシャルゲストにビートたけし
来ていた。
放送開始の年が1985年だったそうだから、22年の長寿番組である。
その年に作られた188万円のロマネコンティを飲みながらトークが始まった。


それにしても、たけしは老けた。
もう還暦で孫もいるのだから、老けて見えるのは当然なのだが、全盛期のビートたけしを知ってい
るだけに、今の姿を見ると驚く。


それに対して、明石家さんまは52歳だそうだが、ほとんど老けて見えない。
もちろん過去のVTRを見ると、それなりに老けているのは分かるのだが、芸人としてはまだ現役であ
る。これは異常なことだというのが、ビートたけしとの比較で分かる。


どの世代にも子供のころから見ていた芸人がいる。
テレビが普及した昭和35年以降になると、記憶に残る芸人の数も多くなるだろう。
そして、ある世代の人々はいかりや長介の死を見て、またある世代の人々は植木等の死を見て愕然
とするのである。
そう考えると、森繁久弥は同世代がほとんど亡くなっているので、全盛期を知らない人の方が多い
のではなかろうか。


森繁以降の芸人は、いつまでも人を笑わせる仕事をせず、渋い役者に変化して芸歴を長持ちさせよ
うとしていたらしい。
寅さんを演じた渥美清や「踊る大捜査線」のいかりや長介などは、森繁チルドレンといってもいい。


ビートたけしの場合は「戦場のメリークリスマス」で俳優として評価され、映画監督としても成功
したが、本人はまだまだ芸人として何かをやりたそうなのである。
現在テレビ番組では司会をしているが、本気でコントや漫才を復活させたいらしい。
それが受けるかどうかは別だが、本人の自意識はあくまでも芸人なのだ。
すげぇなぁと思う。


明石家さんまは、ときどきテレビドラマに出演するが、基本的にはテレビ番組で笑いを引き出す芸
人をやり続けている。笑福亭鶴瓶も同様だ。
おそらく、彼らは体力が続く限りテレビに出演するだろう。
今のところ、死ぬことが想像できないけれど、もしそのときが来たら、私は呆然として何も考えら
れなくなるのではなかろうか。


「さんまのまんま」で、明石家さんまビートたけしに、引退しないのか、と訊いた。
ビートたけしは、自分から引退することはできないが、テレビは視聴率の世界だから、数字が取れ
なくなったら自然と引退になってしまうのではないか、と答えた。


ここで私は萩本欽一を思い出す。
かつて視聴率100%男と呼ばれ、どのチャンネルにも人気番組を持っていた彼は何をしているのか。
野球の監督をしているのである。


芸人が老境にさしかかったとき、どのように振舞うのかは難しい。
ダウンタウンとんねるずウンナンは私より少し上の世代だが、あと10年すれば50代である。
そのとき、どういうスタンスでテレビの仕事をしていくのか、今から考えているだろう。
10年後にテレビでバラエティ番組をやっているかどうか、それすら不透明だけれど。
(根拠はないが、ウンナンの内村は欽ちゃんっぽくなるような気がする)


本文と写真はまったく関係ありません

从*^ー^)<ガキさんっ! 私たちの10年後って想像できますか? 
( ・e・)<あー、できるできる(←テキトー)