私は、ジム・ジャームッシュ監督の「ストレンジャー・ザン・パラダイス」という映画で
はじめてTVディナーなる食べ物を知った。
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TVディナーとは、電子レンジで温めるだけで食べられる米国製の冷凍食品である。
主にものぐさな独身者がテレビを見ながら食べる、ある意味わびしい食べ物で、ひとつの
パッケージに肉と野菜とパスタ類が入っている。
ググると日本人で食べた人の感想がいくつか見つかり、普通に食べられるものが多いよう
だが、とびきり旨いというわけでもないらしい。
スーパーでは、安いものは1ドルから、高級(?)なものでも5ドルぐらいで売っているそうだ。
Wikipedia によると、TVディナーは1953年に発売されており、米国では電子レンジの普
及が早かったんだなぁ、と思う。日本でほとんどの家庭に電子レンジが入ったのは1980年
代半ばではなかったろうか?
すでに電子レンジはどこにでもあるというのに、日本にTVディナーがほとんど普及して
ないのはなぜだろう、と考えた。
それは、TVディナーより魅力的な食品があふれているからだろう。
カップ麺しかり、コンビニ弁当しかり、吉野家の牛丼しかり、日本にはたくさんの選択肢
があり、どれも安価である。
あと、カップ麺はともかく、日本人は米の飯を食わないと晩飯を平らげた気がしないから
ではなかろうか? いくら米の消費量が減ったとはいえ、がっつり食いたいときは、米の
飯だろうと思う(最近の若者は違うかもしれんが‥‥)。
ところで、世界中の都市には、華人がやっているテイクアウトの店がある。
たぶんTVディナーと競合しているのではないかと思うのだが、田舎に行くほとTVディ
ナーのシェアが高いのかもしれないな。
料理はやってみると面白いのだが、疲れ果てて帰ってきてから何かおかずを作ろうと思うと、
それだけで嫌になるものでもある。
面倒くささでいうと
自炊>冷凍食品>インスタント食品>テイクアウト>外食
だろうか。
米国人はTVディナーとテイクアウトの中間にある、インスタント食品を知らないのではな
かろうか。いや、そんなはずはないか。
お湯をかけるだけで食べられるカップ麺は、たぶん普及していると思うのだが、もしかした
ら、お湯を沸かすのさえ面倒くさいのかもしれない。
つまり、米国人にとっては
インスタント食品(カップ麺)>冷凍食品(TVディナー)
なのかも。
その点日本人は、かやくとスープの袋を取り出して、まず麺だけを温め‥‥なんていう作業
を当たり前のようにやってるんだから大したもんだ。
高齢化社会になると、そういう作業すら面倒な人が増えるから、「ラ王」みたいなタイプの
カップ麺よりも、「カップヌードル」タイプの方が売れるだろうけど。