ワーキング・プア2

NHKスペシャル「ワーキング・プア2」を見た。
離婚して2人の子供を育てるため、二つの仕事をして睡眠時間が4、5時間の女性。
現役のときに年金を払ってなかったため、老人になっても空き缶を拾って生活する老夫婦。
親が倒れたため、専門学校を中退し調理師の免許をとったものの働き口がない若者。
他にも、働いても楽にならない人々が紹介されていたが、みな私の明日の姿である。


おそらく強者ならこう言うであろう。
なぜ離婚したときに夫に養育費を払うようにしなかったのか。
なぜ年金を払わなかったのか。
なぜもっと有利な資格をとらないのか、と。


おそらく、それは正論なのだ。
貧乏人は、何の能力もないから貧乏なのである。
市場原理では、金を稼ぐ能力が劣っている人は、生きる資格がないのだろう。


その後、フジテレビにチャンネルを変えると、30歳を過ぎてフリーターをしている人々が
とりあげられていた。
彼らは、NHK特集のワーキング・プアと違って、働く意欲が著しく少ないため貧乏なのである。


だが、彼らとて年をとれば悲惨なことになることに、うっすらと気がついている。
しかし、自堕落な生活が心地いいために、そのままずるずると日々を過ごし、真っ当に生活する
チャンスを自ら潰しているのだ。


前にも書いたが、人生に希望がなくなった時点で、安楽死を選択できるようにしたい。
必要な書類を役所に提出して、眠るように死ぬのだ。
その後、貴重な人体は困っている人の移植手術に使えばいい。


これが非現実的だというのなら、殺し屋になるというのはどうだろう。


NHKの「ワーキング・プア2」で、公園の清掃の仕事をしているお爺さんが紹介されていた。
奥さん認知症になり、特別養護老人ホームに入所している。
夫婦あわせて6万円の年金は、この施設に納めるお金で消える。子供もいない。


強者は、なぜお金を貯めておかなかったのか、なぜ子供を作らなかったのか、と責めるだろう。
人生のリスクを軽減させることに、もっと頭を使うべきだった、と。
その通りかもしれない。


だが、誰も言わないが、認知症になった奥さんが死ねば、このお爺さんは年金だけで何とか暮ら
せるはずである。
この奥さんを、縁もゆかりもない私が殺したらどうなるだろう? 


お爺さんは私を憎むだろう。
もしかしたら、生きがいを失ってしまうかもしれない。


それでも、私は介護に疲れ果てている人のために、その原因になっている老人たちを殺し続ける。
捕まったとき、私は人助けのためにやったのだと主張する。
もちろん認められるわけはない。
私は刑務所に入り、そこで手に職をつける。
だが、出所してもワーキング・プアのままだから、また寝たきり老人を殺す。
ふたたび収監される。
私は死刑になるのだろうか、それとも精神鑑定の結果、どこかの病院に隔離されるだろうか。


‥‥こんな妄想をするぐらいなら、さっさと自殺しろって話ですな。
困ったもんだ。


本文と写真はまったく関係ありません