特許

9月15日の朝日新聞に、次のような記事があった。

特許合格率を初公表、審査請求件数の抑制狙う 特許庁

 特許庁は15日、特許の出願件数上位200社について、審査請求件数のうち何件が特許として
認められたかを示す「特許査定率」を初めて公表した。請求急増による審査の遅れが課題になって
おり、平均約50%と低迷している「合格率」を公表して各社に出願件数の絞り込みを促す狙いだ。

 公表したのは、上位200社の出願件数や特許査定率、海外への出願率など。出願件数が多い順に
列挙し、15日に発表した06年版の特許行政年次報告書に盛り込んだ。

 報告書によると、03年以前は年間25万件前後だった審査請求件数が、04年は前年比35%増の
約33万件、05年は同21%増の約40万件に急増。審査着手までの順番待ちに26カ月もかかる。
一方で、その「合格率」にあたる特許査定率の平均は、01年の55.9%から05年は49.1%と
低下している。

 特許庁は「特許になるかどうか分からない出願件数を競い合うのは時代遅れ。他の企業の合格率を
参考に、意味のある出願に絞る努力をしてもらいたい」という。

要するに、特許庁に出願する件数が増えたが、実際に認められるものは半分以下だ、ということだ。
なんで、こんなに審査に合格しない特許の出願件数が増えたのか。


私の友だちに技術職の人がいるのだが、彼は年度目標に特許件数を書かなければならない。
自分で一年に5つとか決めさせて、それを年内にクリアーすると査定が良くなる、という
仕組みだ。


その話を聞いて、えっ特許なんてそんなに簡単にできるの? と驚くと、まるっきり新しいのを
作るのは難しいので、これまであったものに改良を加える程度でいいんだそうだ。


で、それを上司に提出して、社内審査に通す。
それが通ったら特許庁へ出願して、ようやく1個クリアーになるらしい。
社内審査も厳しいらしく、半分ぐらいは返ってくるみたいだ。うーむ。


しかし、その社内審査に通って特許庁に出願したものですら、半分しか審査に合格しないという
のだから、いったい特許というのは何なのだろうと思う。


私は、特許とは技術者の尻を叩いて出させるものではなく、ある製品を開発した結果、
独創的で便利な工夫が考え出され、同業他社に真似されないように保護してもらうために
申請するものだと思う。


そんなのは現場を知らない奴のきれいごとだ、と言われるかもしれない。
だったら、実際に特許庁に上がってくるものは何なんだろうか。
悪く言えば、成果主義のためにでっち上げたものが半分あるからではないのか? 


きっと経営者の多くは、従業員性悪説なのだろう。
放っておけばサボるばかりなので、目の前にニンジンをぶら下げて、ケツを叩いて走らせ
なければならない、と思っているのだろう。


なるほど、多くの従業員はそうなのだと思う。
しかし、面白いことをやるために入社した優秀な技術者の心が、そういう制度で折れて
しまわないか、心配である。


米国の企業では、パテントを出せという圧力が強いのだろうか? 


本文と写真はまったく関係ありません

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