愛媛県美術館で「四大浮世絵師展」を見てきた。
東洲斎写楽、喜多川歌麿、葛飾北斎、歌川広重のコレクションが松山に来るのは珍しい。
本物をこの目で見たことがなかったので、とても楽しみだった。
私が浮世絵に興味を持ったのは最近だ。
学習塾で、小学生6年生に歴史を教えているとき、江戸時代の文化の単元の予習をして
いたのだが、自分も知らないことが多かったので、図書館で美術全集なんかを見て勉強
したのである。
といっても、素人のにわか勉強なので詳しいことは分からないし、目利きでもない。
今回の浮世絵展でも、写楽の真似をした浮世絵師の版画が展示されていたが、見分けが
つかなかった。
それにしても、実際に実物を見てみると、意外と小さいものである。
私は葛飾北斎の富嶽三十六景シリーズは、もっとでかいのかと思っていた。
てことは、江戸時代には部屋に絵を飾って鑑賞する、という習慣はなく、もっぱら個人が
手に持って眺めていたのだろうか。
今だと、旅行の絵葉書を見るようなものか。
これは有名な、北斎の「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」である。
何度見てもすげぇ。
これも有名な広重の「東海道五十三次 蒲原」である。
たまらん。
歌舞伎の役者絵や吉原の美人画なんかは、ブロマイドや生写真のようなものだから、懐に
入れて持ち歩いている人もいたのだろう。
似顔絵がこれほど普及する文化も珍しいと思うが、プリクラもその延長にあるのかも
しれない。
写楽の「金貸石部金吉」の嫌らしさはどうだろう。
現代でも、こういうアクの強い顔をした人はいるはずだ。
こういう版画の技術は、すっかり途絶えてしまったのだろうか。
写真にはない味わいがあっていいのだが。
ぜひ、誰か暇な美大生が、現代のアイドルや役者を浮世絵風に描いてみてほしい。