矢沢永吉

見ましたか、今日のNHKスペシャル矢沢永吉のように生きたい」を。
熱狂的な矢沢ファンのそれぞれの人生と、矢沢本人のコンサートとインタビューを
交互に構成した内容で、いろいろ考えさせられた。


矢沢永吉も、もう56歳だそうだ。コンサートに来る人も、同世代か一回り下ぐらいの
男性がほとんどだ。
彼のように長いキャリアを誇るミュージシャンのファン層というのは、年を経るごとに
強く濃くなっていくのだろう。


私が思うに、矢沢永吉長渕剛のファンはワーキングクラスが多い。
米国でいうとブルース・スプリングスティーンにあたるのかな。
余談だが、山下達郎はアッパーミドルクラスがファンの中心で、サザンはミドルクラスと
ワーキングクラスの両方という感じ。さだまさしは女性のミドルクラスか? 
(もちろん、ファン層と音楽の良し悪しは全く関係がない)


ミュージシャンやアーティストの作品・生き方を、自分の人生の拠りどころにするのは、
実に20世紀的なことで、宗教に代わるものなのかもしれない。
だが、番組のインタビューで、矢沢はそのことをキッパリと否定する。
自分が音楽をやってきたのは、誰のためでもなく、自分自身がやりたいからだ、と。


こう言い切れるのは、いろんなプレッシャーにくじけない強さを持っているからだろう。
尾崎豊は、おそらく矢沢的な人生を送れたかもしれないのだが、若くして死んでしまった。
この世代のヒーローは、死んだからこそ伝説になっているのかもしれない。


では、それより若い世代はどうか? B'zやミスチルは、人生の拠りどころになるの
だろうか。
なるのだろう。
こうして、それぞれの世代が、それぞれのヒーロー・ヒロインを胸に抱いて生きて
いくのだ。


だが、たまたまモー娘。のようなアイドルにのめりこんでしまった場合は、どうなる
のか。彼女たちが結婚なり引退なりしてしまったとき、また別のアイドルを探すの
だろうか。
ちょっと哀しい。


それにしても、矢沢ヲタとモーヲタというのは、やっていることは同じなのに、なぜか
前者の方が強そうなのはどうしてだろう? ツッパリとオタクの違いかしら(^^;