英国の組織犯罪

英国にヤクザはいるのだろうか? 
名前は、ヤクザでもマフィアでも蛇頭でもいいのだが、売春・麻薬密売・ヤミ金融
密入国斡旋・恐喝などを一定規模のグループで展開している犯罪組織、という意味で。


米国の映画では、有名な「ゴッドファーザー」三部作があり、日本には「仁義なき
戦い」があり、香港映画では「男たちの挽歌」というものがある。
もちろん、フランスだってイタリアだって、マフィアというものが存在し、それが
映画に出てくるのはご存知の通りだ。


では、英国の映画で、ヤクザが主人公の映画があっただろうか? 
私があまり英国映画を見ていないからだろうが、ひとつも思い出せないのだ。


「トレイン・スポッティング」を見ると、麻薬中毒の若者が出てくるが、犯罪組織の
一員ではない。
しかし、麻薬を売りさばくルートがあるからには、それを取り締まる組織があるはず
である。それは何なのか? 


だって、どんな国だって、アンダーグラウンドな世界というものは必ずあるはずだし、
規模の大きさは異なるけれど、社会からはみ出た人間が身を寄せる組織は絶対に存在
するでしょう。
ましてや、これほど歴史がある英国だ。


だが、どうも英国人というのは、目の前にあるものですら、そんなものはない、と
言える人々なのかもしれない。
あれだけ失業率が高かった国だし、IRAとの戦いだってあったろうから、パンクと
呼ばれる落ちこぼれた若者たちが、犯罪組織に取り込まれないはずはないのだが、
うまいこと、すっとぼけている。


それとも、そういう汚い仕事は、外国の組織にアウトソーシングしているのだろうか? 
これまた英国らしい老獪なやり方だけど。


余談。
旧ソ連時代は、マフィアの存在など認めなかっただろうけど、改革後のロシアンマフィア
たちの「仁義なき戦い」みたいな映画も見たいものだ。
ロシア人たちが、ただ殺しあうだけの映画になるだけか‥‥。