地雷をつくる人

ちょっと分からないことがあってね。
中学生みたいな疑問なんで、鼻で笑い飛ばしてもらってかまわないんだけど。


世界には、いまも地雷を製造している会社がいくつかあるよね。
そこへ勤めている人は、何を考えてるんだろう? 


兵器というものは、人を殺傷することを目的にしたもので、そういうものを
製造・販売するというのは、何も考えずにできることなんでしょうか。


例えば、地雷の生産ラインを管理している人や、地雷のカタログ(あるのかどうか知らない
けど)を持って営業に行く人なんかは、ある意味、普通の人だと思うんですよ。
家庭を持っていれば、平凡な父親や母親だろうと。


彼らは、まるでチョコレートや冷蔵庫を売るみたいに、地雷やライフルを売っていて、
上司の悪口を言ったり、営業成績に一喜一憂しているんでしょう。


それは、自分や家族、あるいは自国民が絶対に被害者にならないと思い込んでいる
からなのか、自分が売っている商品が最終的にどういう結果をもたらすか想像しないよう
にしているのか、端から想像する力がないのか‥‥


反論。
そんなの、自動車だって同じじゃないか。このクルマが交通事故を起こすんだ、なんて
考えて造ったり売ったりしてる奴はいないよ。
地雷だって、軍にとっては便利なものなんだ。
俺たちは、作ったり売ったりしてるだけさ。使うのは兵隊なんだから、関係ないね。
ちゃんとした仕事をして家族を養ってるんだから、文句を言われる筋合いはない。


なるほど。
では、なぜあなたは地雷の会社に就職しようと思ったんだろう? 
チョコレートや冷蔵庫の会社ではダメだったんだろうか。
そういう会社が自分の国になかったからかもね。
同情します。


どうか、お子さんにご自分の会社を自慢してあげてください。
お父さんの会社は、地雷を作ってるんだ。
ほら、これはプラスチック製だから、金属探知機では引っかからないんだよ。
これを踏むとね、足や手が吹っ飛ばされるんだ。
でも、死にはしないように火薬の量が調整されているんだ、すごいだろう。
どうして殺しちゃわないかって? だって、殺しちゃったら仲間の兵隊は放っておいて
しまうだろう? 息があれば必ず助けるから、手間がかかるんだ。
そしたら、敵の兵隊は人手が減って、なかなか前に進みにくくなるのさ。


ミサイルやマシンガンや核兵器をつくっているお父さんたちも、どうぞ自慢してあげて
ください。これがないと、わが国は守れないんだ、と。
ま、ニートよりは何倍もマシですわなw