顔写真

私のようなオッサンは、まず写真を撮られることがない。
せいぜい、どこかへ旅行に行ったときの記念撮影ぐらいだ。
ここ7、8年は遠くに行ったことがないから、自分が写っている写真がほとんどな
い。
履歴書のために撮影したものぐらいだろうか。

じゃあ、撮っておかないと困るかというと、そんなことはない。
自分の10年ぐらい前の顔と今の顔が、ほとんど変化がないからだ。
男の顔に変化がないということは、苦労を全くしてないということだろう。
事実、私はそういうプレッシャーから逃げてきた。今でも逃げている。


ただ、自分の顔は毎日見ているから、変化があっても気がつかないだけなのかも
しれない。
20年ぐらい会ってない人と対面すると、やはり老けて見られることもあり得る。
もっとも、私はその人の顔を覚えてないだろうが。


歳をとったら、ミック・ジャガーのようなシワを顔に刻みたいものだと思ってい
たが
とてもそんな苦労に耐えられるわけもなく、今日もつるりとした顔のままダラダ
ラと
生きているのだ。


私が死んだとき、葬式で一体どんな写真が飾られるのだろうか? 
いや、そもそも葬式なんかないかもしれないな。