イトーヨーカ堂

四国に住んでいると、イトーヨーカ堂って何? という話だが、首都圏ではたいていの人が
知っているスーパーマーケットである。
NHKスペシャルをみると、主力の衣料品が売れなくなったので、カリスマ・バイヤー藤巻
幸夫を迎え入れて、売れ筋の商品を開発する、ということだった。


私は、残念ながら失敗すると思う。
なぜなら、これはブランドの問題だからだ。


すでに消費者には「イトーヨーカ堂」=<安い日用品>という意味でのブランドが浸透
しており、それを高級化することは時間がかかるだろうし、できたとしたら、スーパー
マーケットとしての価値も揺らぐだろう。
イトーヨーカ堂は、明治屋紀伊国屋にはなれない。


その意味で、イトーヨーカ堂の客を奪って急成長したのはユニクロだろう。
ユニクロは<安いけどそこそこイケてる>というブランドを確立したのだ。
消費者は、一度ブランドイメージを刷り込まれると、そう簡単に忘れないものだ。


処方箋としては、イトーヨーカ堂資本で、全く別のブランドを立ち上げることだろう。
そして、そのブランドの衣料品をスーパーマーケットで売らないことだ。
高級感があるものを、そのように分離しておいて、スーパーでは今まで以上の低価格品を
販売すべきだと思う。


なぜなら、社会が二極化することで、スーパーで衣料品を買う層と、絶対に買わない層に
分離するだろうから、スーパーの衣料品は品質を落として、うんと値下げをしてもかまわ
ないはずだ。その値段でなければ買えない消費者がたくさん出現するだろう。


もう何年かすると、外食や衣料品などの分野で、低価格と高級品のすみわけがハッキリ
してきて、大量の低価格品を販売して利益をあげるビジネスモデルができるだろう。
いまは過渡期なので、低価格品の商売は忍耐が必要だが、やがて黒字になるまで購買層が
増えてくると思う。


イトーヨーカ堂は、そのときにどうなっているだろうか?