経済的中間層

私は経済にも疎い。というか、詳しい分野は何もないダメ人間です。
そんな素人がちょっと疑問に思ったことを書こうと思う。


発展途上国は、たいていの場合、ごく少数の大金持ちと多数の貧乏人で構成されている。
そして、経済成長が始まると、中間層が形成され、この層が購買力を持つほど、経済も
順調に発展していく。
ここまではオッケーでしょうか? 


日本は意識として、ほぼ国民全体が中流という、世界でもまれな発展を遂げてきた。
恐らく、行政も意図的に中間層を育むような政策を実施してきたのだと思う。
ある意味、もっとも成功した社会主義国家だと揶揄されてもいた。


ところが、近年は勝ち組・負け組である。
再び発展途上国モデルに逆戻りしている感がある。
これは、国全体の経済発展でみるとプラスなのかマイナスなのか? 
ここのところが、さっぱり分からないのだ。


ある国が高度経済成長するためには、どうしても多数の中間層が必要だ。
しかし、一度軌道に乗ってしまえば、必要なくなるのだろうか。
国内産業がほぼ成熟している国の中間層が、勝ち組と負け組に分離したとき、
社会はどうなるのか、私には予想がつかないのである。


米国主導のグローバリゼーションとやらが普及したとき、世界はより不安定になって
いくのではないかと危惧するのは私だけではないと思う。
冷戦期には、まだ国家の枠組みで対立があったのだが、今後は金持ちvs貧乏人の戦いが
待っているような気がする。


かといって、かつての共産主義のような、万国の貧乏人が団結することもないだろう。
そのようなナイーブな理想は、ニヒリズムシニシズムが蔓延した世界で育つことが
ないからだ。


人間に欲望がある限り、高度資本主義は加速し続けるだろう。
私は、いつかクラッシュするときが必ず来ると思う。
それまで生きていられるかどうかは分からないけれど。