日本では、毎年自殺する人が3万人、交通事故で亡くなる人が8000人ぐらい
いる。大変な数である。
この人数が一度に亡くなるような事故があれば、メディアは大騒ぎするだろう。
毎日少しづつ亡くなり、ありふれたことになっているからニュースにならない
だけだ。
メディアは、人の死に平等なのだろうか?
特異なケースの死にはニュースバリューがあって、自殺や交通事故には
ないのではないか。
私はアスベストや狂牛病で求められている「安全性・対策」を否定はしない。
だが、同様に自殺や交通事故にもそれを求めてほしい。
○○さえなければ、もっと長生きできるはずだ。
人はこのように考えて、命をコントロールしようとする。
しかし、人間は必ず死ぬ。
日本の平均寿命は男性なら78.36歳、女性なら85.33歳ということだ。
平均寿命は万人に与えられてないにも係わらず、私たちはそれを始めから持っている
権利のように考えているのではないだろうか。
あらゆる死を(若すぎる死も含めて)運命であった、と受け入れることは
可能なのだろうか。