オタクとファッション

このドラマでは、オタクは一見して分かるようなファッションである。
これは80年代のオタクに対する見方から全く変化してない。
分かりやすさを目的としているにしても、いまの20代のオタクはそれほど
ひどくはないと思うのだ。


私がオタクを主人公にしたドラマで記憶に残っているのは、フジテレビで
やっていた「TEAM」である。
踊る大捜査線」でおなじみの君塚良一が脚本を書いており、評判がよかった
のか、その後いくつかの続編が特番で作られていた。


このドラマでは、草なぎ剛文部科学省の若手官僚を演じているのだが、
趣味は特撮とアニメであり、自分の机の上にはガンダムのフィギュアを
置いている。
ところが、ちゃんと付き合っていた女性もいるし、ドラマの後半では水野
美紀といい感じになるのである。


なんでかというと、仕事ではスーツ姿だし、私生活でもイケてる服を
着ていたからであろう。


極論を言えば、オタクかどうかはファッションに興味があるかどうかで
弁別されるのではなかろうか? 
そして、サラリーマンかつオタクの場合は、スーツを着ることによって
カムフラージュされているのではないかと思われる。


では、ファッションに対するセンスというのはどういう具合に蓄積されていくか。


まず、中学生ぐらいまでは、親が買ってくる服で左右されるだろう。
これがダサいかどうかは、すべて親のセンスにかかっている。
親が買ってくる服がダサければ、それに反抗するが、別に興味が
なければそのままである。


ここで重要な分岐点が現れる。
自分でコーディネートできるかどうか、という能力である。


女子の場合は、制服をやりくりしたり、ファッション雑誌を読んだり
して、その感覚を鍛えるであろう。性的な成熟とともに、他人の視線を
敏感に感じるからである。


一方、男子はそれほど他人の視線を感じないまま思春期を終える。
(よほどのイケメンであれば別だが)
ここで、ファッションよりも別のことに興味が出てくれば、オタク
まっしぐらの道が開かれていく。


この社会では、どういう服を選んでコーディネートするか、という
知識は、その他のオタク知識よりも優越しているのだ。
人間は、ミもフタもなく、外見で判断するのである。
それも、ある一定の方向のファッションだけに。


これって、グローバル化という名のOne World化と同じだと思うのだが、
ファッションの多様性って何だ? というややこしいことになりそうで、
私の手には負えない‥‥。