Boaz2016-11-13

NHKスペシャル「終わらない人 宮崎駿」を見た。
若い人と組んでCGを使って12分の毛虫のアニメを作るのを2年間追った
ドキュメントである。


ああ、いつもの宮崎駿だなぁ、と思っていると、途中でドワンゴの川上
なんとかという人が出てきて、気持ちの悪い動きをする人型のCGを見せる
場面があった。


ネットでも少なからず話題になっていたようだが、宮崎駿はこのCGを作った
ことに対して、身障者を軽んじているようで腹が立つ、と一蹴した。
ドワンゴ川上にも言い分はあったようだが、叱られてシュンとしていた。



たしかドワンゴ川上はプロデューサー修行と称して、スタジオジブリ
通っていて、週刊文春に連載を持っていたはずである。


で、私が気になったのは、製作者はなぜこのエピソードをドキュメントの
中に入れたのか、ということだ。


2年間撮影した膨大な素材を50分に収めるのだから、どうしても入れたいもの
だけに絞るだろう。
しかし、ドワンゴ川上が叱られるエピソードは、別になくても成立する。
私はそこに一種の悪意を感じるのである。



私の妄想で何の根拠もないが、この番組を作った人は2年間に何度もドワンゴ
川上に遭遇していただろう。
そこで何があったのかは知る由もないが、ドワンゴ川上は取材している人を
ムカつかせるようなことをしたのではあるまいか。


その恨みが、この叱られるエピソードをわざわざ入れることにつながった
のではないか、と思うのだ。


もちろん製作者側は、そんな意図は一切なく、CGに対するスタンスの違いを
見せたかったからだ、とか言うだろうけど、それなら毛虫のCGを作っていた
人たちとのやり取りをもっと入れればいい。


NHKの取材班は、ドワンゴ川上にいったいどんなことをされたのか、それを
明らかにしてほしいものである。