- 作者: 山崎雅弘
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2016/07/15
- メディア: 新書
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ものである。
どちらにせよ、日本会議はろくな集団ではない、ということでは意見が一致して
いる。
本書では、日本会議は昭和初期の国家神道体制を復活させたい集団として分析されて
いる。
では、本当に国家神道を復活させたらどうなるのか。
実は日本会議にもその先のビジョンはないのではないか、という気がする。
単に東アジアに北朝鮮がもうひとつできるだけではなかろうか。
また、日本会議が本当に天皇を崇敬しているなら、いまの天皇の発言を素直に
受け止めて、憲法改正など口にすべきではない。
ところが、彼らはそれらを全く無視しているとしか思えず、実は皇室に対する
考えも嘘なのではないか。
日本史のほんの一部をつまみ上げて、大昔からの伝統だったと言い張るインチキを
これ以上許してはならない。
↓
ところで、日本会議は思想面から安倍政権を動かしているが、私にはもうひとつ
経済的な黒幕がいるのではないか、と思う。
いわば経済板の日本会議というべき存在で、米国の新自由主義を信奉している
人々が日本の混乱させていると思うのだが、彼らは日本会議のような団体では
ないので、実態はよく分からない。
新自由主義者は、思想的には天皇制などどうでもいいはずで、そのあたりで
日本会議とぶつかっているのでは、とも推測するのだが、安倍政権ではうまく
調整しているのだろう。
ともかく、安倍政権は国家神道を復活させたいグループと、再配分を拒否して
富を自分に集中させたいグループのハイブリッドだと言えよう。
それはもはや先進国の内閣ではない。