Boaz2014-01-30

NHK Eテレの「スコラ 坂本龍一 音楽の学校」の“電子音楽”編が
終わった。勉強になった。


従来の楽器ではなく、電子回路を使った楽器が発明され、音=周波数と
理屈を突き詰めていったら、シンセサイザーの初期型になりました、と
いう講義だった。


これまでにない音を作り出したり加工できるようになったことで、様々な
表現が可能になっていったのだが、もはや普通の人がイメージする、メロ
ディのある(あるいは唄うことができる)音楽ではなくなってしまった。


電子音楽は、そもそも音楽とは何か? という問いを突きつけたのかも
しれない。



大滝詠一が、日本人はやっぱり歌じゃないとダメなんだよ、と言っていた。
歌える音楽が大好きな民族だということだろう。


「スコラ」で紹介された、電子音楽の黎明期に作られた楽曲は、ノイズに
近いものが多かったように思う。
というか、ノイズも音楽である、という前衛的な思想というべきか。
作曲家というよりは、エンジニアの実験に近いものがあった。


けれども、21世紀になって、電子機器が素人にも簡単に扱えるようになると、
日本では初音ミクが生まれ、ボーカロイドのジャンルを作り上げた。
やはり、日本人は歌じゃないとダメ、という証明ではなかろうか。



今日あった第4回の最後には、人間の身体を流れる微弱な電流をコンピュータに
通して音にして、その音に基づいて顔面につけた電極で表情筋を刺激して、
音楽に合わせて顔を動かす、という演奏(?)があった。


なんだかうまく説明できないけれど、ショッカーの実験みたいな感じで
怖かった。
もちろん合意の上で顔に電極をつけているのだろうけど、とても苦しそう
な表情だった。ああいう刺激では、たぶん笑顔にはならないのだろう。


素人目には、あれは音楽なのかなぁ、と思ってしまう。
ネコでやったら虐待映像になるだろう。面白そうだけど。