いまのオッサンにとっては懐かしい未来予想図は、科学技術がどんどん
進歩していくという予想のもとに、わりと無責任な空想をふくらませた
ものだった。
当たり前だが、チューブの中を全身タイツに身を包んだ人が移動する
ことも、原子力自動車が空中を飛ぶこともなかった。
こういう未来予想図は、映画「ブレードランナー」が登場して消し飛んだ。
あのイメージを覆すような映像はあまり見ない。
いまの子供たちは、どんな未来予想図を見せられているのだろうか?
そもそも、そういうものを掲載する雑誌がないだろうし、未来に対して
変な期待をしていないのかもしれない。
私は、無責任な未来予想図がないのは、ちょっとかわいそうな気がする。
我々オッサン世代が、そういう空想力を無くしてしまったのかもしれない。
軌道エレベーターぐらいの予想は立てられるけれど、もっとバカバカしい
ものを思いつく能力を削られてしまったのではないか。
あまりものごとに整合性を求めすぎると、発想が貧困になるような気がする。