さもしい人間

さもしい人間―正義をさがす哲学 (新潮新書)

さもしい人間―正義をさがす哲学 (新潮新書)

感想を書くのがなんだか難しい本だった。
内容が難しいわけではなく、むしろ難しいことを非常に分かりやすく
書いてくれている。一般教養の読み物として、大学生や高校生に読ま
せるにはぴったりではないかと思う。


では、どうして感想を書くのが難しいかといえば、私が思っていること
と本の内容がだいたい同じだからである。
だから、とりあえず読んでみてほしい、としか書けない。


ただし、内容は地味である。
極論を避けて、噛んで含めるように書いてあるから、それは当たり前
なのだ。
むしろ、こういう地味な人柄だからこそ書けた本なのかもしれない。


たぶんベストセラーにはならないだろうけど、倫理を考える端緒に
若者たちに読んでほしい。