HEROES

BS朝日で放送していた米国のドラマ「HEROES」が終わった。
一応、第一シーズンから全部見たのだが、盛り上がりというかカタルシス
に欠ける物語だった。


これは米国のドラマの宿命なのだろうけど、視聴率が良いと判断された
キャラクターは生き残って、そうでないキャラクターは消えていく。
そうすると、全体を構成することが困難になって、ストーリーは行き当た
りばったりにならざるを得ない。


特に第二シーズンから第三シーズンは迷走していると言ってもよく、日本
の過去の時代考証もでたらめだった。


キャラクターの超能力の整合性も、全体からみればとれておらず、伏線も
回収されていないものが多かった。


ただ、最終シーズンは妙に気合いが入っていて面白かった。
視聴率による過酷な要求に、脚本家が見事にこたえていたと思う。
結局は打ち切りになってしまい残念だったが。


日本人の私からみれば、なんでみんな一致団結して闘わないのだ、とイラ
イラすることが多かった。
全員が自分の理屈をぶつけ合うのが、いかにも米国らしいドラマなのだが、
物語の方向性を見失っていたように思える。


米国で、きちんとした作家性を出して、まとまりのある話を作りたいので
あれば、(マイナーな)映画にするしかないのだろう。
このあたりは、日本の方がまだ作家性を大切にしていると思うが、最近の
テレビ局製作の大作映画を見ると、米国の悪いところをまねていると感じ
る。