野茂秀雄

野茂英雄―日米の野球をどう変えたか (PHP新書)

野茂英雄―日米の野球をどう変えたか (PHP新書)

私が野茂のピッチングを見たのは、1991年の西武球場だった。
友達がチケットを取ってくれて、所沢まで見に行った。
残念ながら近鉄は負けてしまったが、遠目からも野茂の独特のフォームを
見ることができてよかった。


先日、2chのスレッドを見ると、どうも野茂の評価があまり高くない。
少なくとも2chの人たちは、野茂のことを理解できていないようだ。


おそらく、日本人のほとんどは野茂のすごさを分かっていないのではない
か。その憤りがこの本を書かせているような気がする。


現在、野茂は広島カープの臨時ピッチングコーチをしている。
その前はオリックスの特別ピッチングコーチだったが、岡田監督に批判さ
れてやめている。


どうやら日本の球界は、野茂を煙たがっているようだ。
米国のメジャーリーグで大活躍した選手だというのに、日本のプロ野球
はほとんど仕事がない、という事実が物語っている。


この本では、日本のプロ野球に対して厳しい批判が書き連ねてある。
だが、球団経営陣や親会社には何のダメージもないだろう。
なぜなら、選手会に改革する能力がないからである。
(古田のような例外はあるが)


プロ野球の人気がなくなることはないだろうが、これまでのように地上波
のテレビで高視聴率をとることは、WBC以外ではないだろう。
なんだか、CDが売れなくなっていく音楽業界と似ている。


私は、いまの日本のプロ野球について野茂がどう思っているのか知りたい。


ついでに書くと、この本の最後に、野茂は米国の野球殿堂入りができるか
どうか、という章がある。
パッとしない成績だから無理だ、という人もいれば、野茂がメジャーリー
グに与えたインパクトを考えると殿堂入りは当然、という人もいる。


だが、野茂自身は、別にどうでもいいと思っているような気がする。
選ばれたら光栄だが、それを目標に野球をやったわけではない、と答える
のではなかろうか。