世界がわかる理系の名著

世界がわかる理系の名著 (文春新書)

世界がわかる理系の名著 (文春新書)

有名な理系の古典を、分かりやすく要約した本である。
数式を使わず、中学生にも分かるように書いてある。
そこは見事なのだが、もう少し突っ込んだ内容にすべきだったのでは
なかろうか、とも思う。


というのも、数学者について書いた藤原正彦の「心は孤独な数学者」も
同様に数式をほとんど使わない書き方だが、人数を絞って深みのある
ないようにしているからだ。

心は孤独な数学者 (新潮文庫)

心は孤独な数学者 (新潮文庫)

「世界がわかる理系の名著」は、14人の科学者の本についてい紹介し
ているが、もう少し減らしてもよかったのかもしれない。


それでも、原典を読んでみようかな、と思わせる筆致は素晴らしいも
ので、高校生の課題図書にしてもいいのではなかろうか。
進学校ならば、この本で紹介されている原典のひとつを選んで感想文
を書かせてもいいかもしれない。