007慰めの報酬

007シリーズのいいところは、見終わった後にストーリーをすっかり忘れて
しまうことだ。


前作の続編とのことだが、3年前に見たきりなのでほとんど憶えていない。
印象に残っているのは、ボンドが穴の開いた椅子に座らされて拷問を受け
ているところぐらいだ。


しかし、主演のダニエル・クレイグは相変わらず渋いし、今回のボンドガ
ルは私の好みだったので、楽しんで見ることができた。


勝手な思い込みかもしれないが、この映画を見ると、英国人というのは何
か道具を使うとき、しかたなくそれを扱っているのだ、という印象がある。


例えば、冒頭でボンドがアストン・マーティンを乗りこなすときも、クル
マに対してフェティッシュな感情はなく、単なる道具として割り切って使
っているように思える。


また、MI6の情報システム画像も、米国っぽいタンジブルな操作をしている
けれど、これも使わないですむなら別に使わなくてもいい、という印象が
ある。


この映画のスポンサーの、ソニーやフォードからすれば、もっと愛情をもっ
て扱ってくれよ、と思うかもしれないが、007シリーズはこれでいいのだと
思う。


ところで、ソニーやフォードの経営は大変なことになっているが、次回作
でもスポンサーになれるのだろうか? ちょっと心配である。