ヴォイス

医学部の4年生が法医学ゼミに入り、そこに送り込まれてくる遺体の声なき
声を聴き取り、どういういきさつで死に至ったかを推理するドラマである。


法医学もののドラマは「きらきらひかる」があったが、もう10年も前の作品
になるのか。
今回は青春群像を中心に描くようで、フジテレビのお家芸といった感じだ。


私はこの手のドラマにあまりはまったことがない。
脚本や役者は悪くはないし、それなりに見られるのだが、青臭さがどうにも
苦手なのだ。


それに、こういうのはリア充な人じゃないと心から楽しめないような気がす
る。現に私は登場人物の誰にも感情移入できずにいる。
オッサンだから学生は無理としても、時任三郎名高達男にも全く重ね合わ
せられる部分がない。


こんな風に置いてきぼりをくらったドラマは、たぶん来週から見ないだろう。
そういう作品が増えてしまったのは、自分が年をとったせいなのか、テレビ
が面白い脚本を作れなくなったせいなのか、よく分からない。


この「ヴォイス」というドラマが後半になって盛り上がるためには、登場人
物の誰かが死ななければならないだろう。
その人を解剖するような展開になったら、私はあらためてこの作品を評価し
たいと思う。