パズル

今期からあまりドラマを見ないようにした。
というのも、HDDレコーダーに前期のドラマが溜まっているので、これ以上録画するとパンク
してしまうからだ。


ただ、この「パズル」というドラマにはちょっと惹かれるものがあったので第1回を見た。
脚本が蒔田光治なので、ほぼ「トリック」の焼き直しだが、主演の石原さとみが面白かった。
あの腹黒い演技は地ではないかと思えるほどだ。
推理ものが好きな人なら、たぶん楽しめるだろう。


それにしても、前期は「あしたの、喜多善男」のようなオッサンが見るドラマがあったのに、
今期は女子向けの作品ばかりだ。
とりあえずイケメンの男子を出しておけば大丈夫だろう、という安易さが情けない。


そもそも、男はどのくらい連続テレビドラマを視聴していたのだろうか? 
男女別・年齢層別の調査が始まったのがいつごろからか知らないが、ドラマが家族全員が見
るものから、特定の年齢の女性が見るようにシフトしたのが80年代半ばのトレンディドラマ
からだったのではなかろうか。


そして、当時20代だった視聴者の嗜好を追いかけていくうちに、ドラマの企画は袋小路に入
り込んでしまったような気がする。
「Around 40」は、そのなれの果てだろう。


で、現在の20代の女性のためには、マンガ原作でイケメン男子が大量に出てくるものを作っ
ておけば大丈夫、という寒々しいことになっている。
企画と脚本が命のテレビドラマは、後継者を育てないまま終わろうとしているのではないか。


たぶん、演劇関係の人が外部から入ってきて活性化されることはあるだろうが、主にテレビ
ドラマ畑で面白い脚本を書く人はいなくなっていくような気がする。
そして視聴者はテレビをあまり見なくなるのではないか、と。