28年ぶりのガンダム

先日、BSイレブンで放送されていた「機動戦士ガンダム」が終わった。
ファーストガンダムを毎週ちゃんと見たのは、実に28年ぶりである(たぶん)。


小学生のときに見たのと、オッサンになってから見たのでは、当たり前だが
全く印象が違う。
ちょうど当時の作り手と同じぐらいの年齢で見ているせいか、伝えたかった
ことが分かるような気がするのである。


残念ながら、私はガンプラを一度も作ったことがないほど、ガンダムからは
遠い生活をしていた(今もそうだが)。
それでも、オタクの世界ではファーストガンダムの名セリフがそこかしこで
使われていたし、私も薄ぼんやりとはその話についていけた。


その後、角川が雑誌「ガンダムA」を創刊して、安彦良和が「THE ORIGIN」を
連載し始めた時期から、かつてファーストガンダムに衝撃を受けた世代を中
心にリバイバルブームが起こっていたのだろう。
今では、正真正銘のオタクの古典というか基礎教養になってしまった感がある。


全話を通してみると、地球に降りてから宇宙へ上がるまでの間に、ストーリー
がヨタヨタするところがある。
ザブングル」とか「ダンバイン」でもそういうところがあるので、製作上の
問題なのかもしれない。


打ち切りが決まったせいかどうか分からないが、終盤のたたみかけるような展
開は、さすがに伝説のアニメになるだけはあるな、と興奮した。
特に「光る宇宙」から「宇宙要塞ア・バオア・クー」にかけては、鬼気迫るも
のがあったと思う。
(名セリフはこのあたりのものが多い)


今の小学生に、ファーストガンダムを見たことがあるかどうか訊いたところ、
キャラの名前やモビルスーツはよく知っているが、実際に見たことはない子が
ほとんどだった。


最近のガンダムの、ある意味では美麗な絵と比べると見劣りはするかもしれな
いが、ファーストガンダムの方が圧倒的に大人の作品だと思う。


実は、大人が作ったアニメというものは、ごく少ないのではなかろうか。
エヴァンゲリオン」は、大人になりきれない青年が作ったような気がする。
別に大人にならなければならないわけではないんだけど、今の子供たちにも見
てほしいと思った。


来週からは「Zガンダム」がスタートする。
これもちゃんと見たことはなかったから、楽しみだ。