- 作者: 岡田斗司夫
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2008/04/15
- メディア: 新書
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オタクはすでに死んでいるのだそうだ。
トークイベントでのヨタ話なので、はっきり言ってどうでもいい内容なのだが、
とりあえず暇つぶしになった。
これまでさんざん利用してきたオタクを捨てるのは勝手だが、それを本にして
売る根性が汚い。買ってしまった私が悪いのだが。
私が思うに、岡田斗司夫は唐沢俊一がうらやましかったのではなかろうか。
かつてはオタク仲間として日陰で暮らしていたのに、「トリビアの泉」ブーム
から一般層に知られるようになり、ついには朝日新聞の書評まで書くようにな
った唐沢に対し、嫉妬したのではないかと。
その第一歩として、自分のダイエットについて書いた本がかなり売れたのがよ
かったのだろう、第二弾はオタク決別宣言である。
誰でも歳をとれば若者が好きなものについていけなくなる。
おそらく特殊な分野の評論家はそういう傾向にあるのではないか。
できるだけ長持ちするためには、どうしても一般層に食い込んでおかねばなら
ない。
それには分かりやすさと見た目のよさが大事だ。
岡田は着々とそのように変身してきたのだろう。
本人はアカデミズムに意味なんかないとうそぶいているが、東大で授業をした
り、MITで講演したことを何度も書いているところをみると、権威大好き人間の
ようだ。
私は「BSマンガ夜話」や「アニメ夜話」で岡田斗司夫が分かりやすく話す解説
が好きだったのだが、オタクを廃業するということは、こういう番組にも出な
いということだろう。
それはすごく残念に思う。
結局のところ、オタクにとってもオタクでない人にとっても、どうでもいい本
でした。