オタクはすでに死んでいる

オタクはすでに死んでいる (新潮新書)

オタクはすでに死んでいる (新潮新書)

岡田斗司夫の言うことを本気で信じている人がいるかどうかは分からないが、
オタクはすでに死んでいるのだそうだ。


トークイベントでのヨタ話なので、はっきり言ってどうでもいい内容なのだが、
とりあえず暇つぶしになった。


これまでさんざん利用してきたオタクを捨てるのは勝手だが、それを本にして
売る根性が汚い。買ってしまった私が悪いのだが。


私が思うに、岡田斗司夫唐沢俊一がうらやましかったのではなかろうか。
かつてはオタク仲間として日陰で暮らしていたのに、「トリビアの泉」ブーム
から一般層に知られるようになり、ついには朝日新聞の書評まで書くようにな
った唐沢に対し、嫉妬したのではないかと。


その第一歩として、自分のダイエットについて書いた本がかなり売れたのがよ
かったのだろう、第二弾はオタク決別宣言である。


誰でも歳をとれば若者が好きなものについていけなくなる。
おそらく特殊な分野の評論家はそういう傾向にあるのではないか。
できるだけ長持ちするためには、どうしても一般層に食い込んでおかねばなら
ない。
それには分かりやすさと見た目のよさが大事だ。


岡田は着々とそのように変身してきたのだろう。
本人はアカデミズムに意味なんかないとうそぶいているが、東大で授業をした
り、MITで講演したことを何度も書いているところをみると、権威大好き人間の
ようだ。


私は「BSマンガ夜話」や「アニメ夜話」で岡田斗司夫が分かりやすく話す解説
が好きだったのだが、オタクを廃業するということは、こういう番組にも出な
いということだろう。
それはすごく残念に思う。


結局のところ、オタクにとってもオタクでない人にとっても、どうでもいい本
でした。