M-1グランプリ寸評

一日遅れでM-1グランプリを見た。
優勝したのはサンドウィッチマンだったが、私はトータルテンボスの方が地力で勝っていたと
思う。特に最初のホテルのネタは完璧だった。


キングコングは圧倒的なスピード感で他を圧倒しており、素晴らしかった。
同じお天気レポーターネタでハリセンボンとかぶっていたが、テンポやかぶせ方では明らかに
キングコングが上だったと思う。


ザブングルは顔芸を封印してくるかと思ったが、ほぼ全面に押し出しており、肩透かしをくら
った感じだ。加藤が空回りをしていた気がするが、緊張していたせいだろうか。


千鳥は面白いと思ったけれど、最後のポーズを解説する部分は、全部をきちんと意味づけた方
がネタの完成度が上がったと思う。


笑い飯は、完全に旬を逃しているような気がする。
やはり4年前に優勝させておくべきだった。あのときの「奈良県立歴史民俗博物館」ネタ以上
のものがないのが痛い。
漫才としての水準は高いだけに、惜しい。


あとの芸人は思い出せないので、それほど記憶に残らなかったということか。
今年は全体として小粒だった印象が否めない。


ところで、サンドウィッチマンは敗者復活から優勝してしまったが、なぜ彼らが決勝トーナメ
ントに最初から進出できなかったのか、審査員には猛省を促したい。
勢いというものは現場で変わるものだとはいえ、審査方法に問題はなかったのかどうか、次回
に向けて善処してほしい。


もうひとつ苦情を言うなら、ネタの途中で審査員や観客を映すのはやめてほしい。
この番組のディレクターは、そうとう頭が悪い奴に違いない。


M-1グランプリは面白くて好きなのだが、優勝した芸人のその後を見ていくと、賞そのものの権
威には疑問がある。
本当なら、優勝した芸人の名前をつけた冠番組がキー局で製作されてもいいと思うが、せいぜ
いレギュラーが増えたぐらいで、大ブレイクには至っていない。


その理由として、バラエティ番組が一発芸を中心としたものになり、コントなどの作りこんだ
ものが、幼稚な視聴者から敬遠されているせいだと考えられるが、どうだろうか。


年末の風物詩としてすっかり定着しているだけに、この番組が少しでも長く続くように祈って
いる。
みんな、これを見た後では、にわか評論家になって(私もそのひとりだが)漫才について語る
のが、笑いの裾野を広げていると思うし。