働きマン

働きマン」は、講談社をモデルにした大手出版社で、男性向けの週刊誌の女性編集者を主人公
にした、お仕事ディティール紹介マンガである。
原作のマンガは、さすがに出版社の内実をよく知っているので、人間のくたびれ具合がリアルで
ある。


ところが、テレビ番組を制作している人は、出版に対して何か間違った幻想を抱いているような
気がする。妙に美化しすぎているのだ。
ドラマだから人気俳優をたくさん出さなければならないのだろうけど、週刊誌の現場はもっと殺
伐としている。
それはドラマの制作プロダクションだって同じだろう。


冒頭から菅野美穂が視聴者に向かって話しかけるのがウザかったけれど、他の登場人物もみんな
同じスタイルで見ている人に喋りかけるので、なるほど、そういう作りのドラマなのね、と割り
切って見ることができた。


キャスティングも文句ないし、テンポもよかったし、まあ合格点なのではないかと思う。
偉そうな言い方で申し訳ないけど。
ただ、初回を見ただけでお腹一杯という感じである。同じようなパターンの話が連続するんだっ
たら、最終回だけチェックして、あとは見なくてもいい。


このドラマは、当たり前だがオッサン向けに作られているわけではないので、主人公らがやって
いることがアホみたいに思えるのだ。
むしろ、編集長やデスクの立場に感情移入してしまうが、彼らは脇役である。
(原作のマンガではフィーチャーされることはあるけど)


やはり20代後半の勝ち組が楽しむドラマだろう。
企業の求人も増えたらしいし、こういうバブリーな内容のドラマが今後ヒットするのかもしれな
い。


ところで、主役に菅野美穂が抜擢されたのは、彼女が初代ウルトラマンに似ているので、働きマ
ンとかけているからだろうか。どうせなら「ハケンの品格」がヒットしたんだから、篠原涼子
抜擢すればよかったのに。


本文と写真はまったく関係ありません

働きすぎマン