いつまでもデブと思うなよ

いつまでもデブと思うなよ (新潮新書)

いつまでもデブと思うなよ (新潮新書)

テレビで激痩せしている岡田斗司夫を見て、つい気になって立ち読みしてしまった。
ザッと目を通しただけの感想なので、細かい点についてはフォローできない。


主な内容は、デブがいかにいけないことかを語り、レコーディング・ダイエットという方法の
詳細を紹介するものである。


レコーディング・ダイエットとは、とにかく自分が口にしたものを細大漏らさず記録していく
ことらしい。
そうすると、いかに自分が同じようなものを大量に食べているかが分かり、自然に自分の食欲
がコントロールできるのだそうだ。


なるほど、簡単にできそうで実際に本人が一年間で50kgも痩せたのだから、効果はあるのだろ
う。
しかし、これはよほどの意志がないと続かないだろうし、岡田本人がもともと凝り性だからこ
そ成功したダイエット方法だと思う。


そもそもこの人の言うことは、香具師の口上と一緒で、本気で信じたら痛い目に遭うはずだ。
この本も、ダイエット本ではなく、おもしろ読み物として手にすべきだろう。


それに、デブが痩せたからといって偉いわけでもない。
人間は病気でなければ最初からデブに生まれてきたわけではなく、ある時点から消費できない
ほど高カロリーのものを大量に食べ続けただけの話だ。


私は胃腸が弱いので、むしろどうやったらデブになれるのかが知りたかった。
岡田の場合、週に2回は焼肉屋に行っているし、自宅ではピザやポテトチップスやコーラを毎晩
のように食べている。そんだけやったら、そりゃ太るだろう。
デブになれるのは強靭な消化器を持っているからであり、私などからするとうらやましい。


ヤンキー先生の本もそうだが、マイナスの状態からプラスの状態に戻ったことを、ことさら自慢
するのはどうかと思う。
もとに戻るために費やしたエネルギーはたしかに立派だと思うが、最初からヤンキーにならなか
ったりデブにならず、まっとうに生きてきた人間の方がよほど偉いのである。


岡田は、デブがいかにみっともないかを言うために、「見た目主義」という概念を提示している。
だが、その「見た目主義」は本当に正しいことなのかは検証されていない。
なぜカッコイイことが重要なファクターになってしまったのか、そこを批判してほしかった。


特に女の場合、アネッサのCMに出演しているエビちゃんを見るたびにギョッとしてしまうほど痩
せて見えるので、ダイエットの悪影響も考えるべきだと思うのだ。
ていうか「デブ」とか「太っている」という言葉のグレーゾーンが広すぎるため、本来はダイエ
ットしなくていい人の痩身願望にも火をつけているのではないかと。


こうして食欲をコントロールすることが自己管理の証明になるという幻想が広がったら、次は性
欲だな。もう、そういう本は出ているようだけど、食欲のデブは性欲の何にあたるのだろうね。


本文と写真はまったく関係ありません

(O^〜^)<なーんでダイエットしたって知ってるんですかー