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あったが、見ているうちに思い出してきた。
原作は読んでいないが、バッサリ省略したからだろう、過不足なくまとまっているので、ほとん
ど長さを感じなかった。
私は「ハリー・ポッター」シリーズに特に思い入れがあるわけでもなく、原作の小説も3巻目まで
しか読んでいないのだが、一度見始めたものが最後にどうなるのか、という興味だけで映画館に
行った。
この感覚は「スター・ウォーズ」の後期三部作でも感じたことで、物語の風呂敷がたたまれるの
を見ないと損をしたような気分になるのだ。
シリーズものは、最初から見ないか、最後まで見るかのどちらかだろう。
(でも「ロッキー」や「ダイハード」は全部見てないけど‥‥)
この「不死鳥の騎士団」では、魔法省からドローレス・アンブリッジという官僚がやってきて、
規則で生徒を縛ったり、ダンブルドア校長を追放したりとやりたい放題である。
日本だと、文科省の役人が自由な校風の私立学校に乗り込んで、管理教育を押し付けるようなも
のだろうか。
この役を演じたイメルダ・スタウントンという女優が非常にうまくて面白かった。
なぜアンブリッジがみんなから嫌われるかというと、権力を笠に着て威張るからだろう。
生徒は実力がないくせに偉そうにする教師を瞬時に見抜いてしまうのだ。
物語の中で、ホグワーツの生徒が秘密結社を作る場面がある。
今でも英国や米国の大学では伝統的な結社があり、エリートしか入れないらしい。
日本にそういうのはあるのだろうか、と思ったが、私がエリートじゃないから知らないだけで、
同じようなものがあるのかもしれない。
言ってしまえば「ハリー・ポッター」シリーズは、選ばれし者の苦悩を描いているわけで、作者
は読者をシラケさせないように、ハリーの親友に平凡な少年を配置している。
このあたりの設定はうまい。
それにしても、ヴォルデモート卿は何がしたいのかさっぱり分からん。
ハリー・ポッターを殺したらそれで気が済むのだろうか。
ファンタジーの世界でも、「世界征服」は難しそうである。