ユースケよくがんばった、という内容で、たぶん来週は見ません。
浮気する妻役が石田ゆり子で、非の打ち所がない設定から面白くない。
私なら雛形あきこをキャスティングして、もっとだらしない感じにするけどな。
男女問わず、浮気(ここでは単純にパートナー以外との性交渉とする)する人はするわけで、今さら
驚くこともない。
ただ、ドラマでも触れられていたように、男はバカだから浮気がバレることが多いが、女はバレない
ことが多いのでたちが悪い。
女の浮気というと、千夜一夜物語の発端を思い出す。
うろ覚えだが、シャーリアル王が狩に出かけようとして、忘れ物をしたので王宮に戻ったところ、
貞淑だと思っていた妻が黒人奴隷と乱交していたのを目撃する。
即刻、妻と奴隷の首を刎ね、以後は絶対に女を信じないようになる。
で、性欲を処理するために、庶民の女の子(処女)を王宮に献上させ、一晩過ごしたら殺す。
こうして次々と女の子を使い捨てにしていたところに、シェーラザードという大臣の娘が夜伽のために
寝室へやってくる。
シャーリアル王は、この子も一晩経ったら殺そうと思うのだが、「シンバットの冒険」などの、ものす
ごく面白いお話をして、ちょうど続きが聞きたくなるところで止めるので、ついついもう一晩すごして
しまう。これが1001夜続いたとき、すでに王とシェーラザードの間には何人もの子供が生まれており、
情にほだされて、とうとう王は女を使い捨てにすることを断念するのだった。
いったいシェーラザードはいつの間に出産したんだろう、と思うのだが、私なんかは王が女に丸めこま
れてしまった話にも読める。
古今東西、一人の男に強力な権力が集中すると、たいていハーレムを作るものだ。
男子禁制の場所で働く男は、宦官になった。
宦官(かんがん)―側近政治の構造 (1963年) (中公新書)
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を砂に埋めて何日か放置し、生き残った者が宦官になったそうだ。成功率30%ぐらいというから命が
けだ。
それが、時代を下って清朝になると、漢方薬などで腐らせた男根を糸で切断する方法になったという。
尿道に栓をしておき、化膿しなくなってから外して小便が出れば成功、出なければ尿毒症で死んだと
いわれる。成功率は高かったそうだ。
江戸時代の大奥はどうだったんだろうか?
たしか宦官は置かず、将軍以外は立ち入れないように鍵をかけたと思うが、さかりのついた女は大変
だっただろう。
張り形が発達したらしいけど、必要は発明の母ですな。
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話がずれた。
かつて、女は浮気されても耐えるしかなかったのだろう。
平気で愛人を囲うオッサンは多いけど、女でそれをやっているのは作家の岩井志麻子ぐらいしか
知らない。
最近まで、男は性欲を処理する場所がいくらでもあったが、女にはなかった。
万が一ばれると大変なリスクがあったから、簡単に踏み切れなかっただろう。
女の浮気がカジュアルになったのは、電話の発達とパラレルの関係にあると思う。
(それ以前に、団地妻の売春というのもあるが、これは地域社会との断絶が生んだものだろう)
伝言ダイヤル、ダイヤルQ2などで匿名なまま相手とコンタクトがとれるようになり、携帯電話の出会い
系サイトが誕生すると爆発的にユーザーが広がった。
同時に、売春という暗い響きから援助交際という呼び方に変わり、エッチという言葉で性交渉のハー
ドルはずいぶん下がった。
ここまでお膳立てをしておけば、ファミレスに行く感覚でラブホテルへ行くだろう。
相手の浮気は携帯のメールでばれることが多いらしい。
このドラマでもそうだったし、掲示板でも似たような話を見たことがある。
もはや携帯端末は、自分の心を一部取り外して外部に置いておくようなものになったようだ。
藤子・F・不二雄の短編マンガに「テレパ椎」という作品がある。
藤子・F・不二雄SF短編PERFECT版 (7) (SF短編PERFECT版 7)
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いう話だ。テレパシーが使えたとしても、あまりいいことはない、という落ちだった。
相手の携帯をのぞくということは、間接的にテレパシーを使うようなものである。
夫婦や恋人といえども、そんなことをしてハッピーになることはまずなかろう。
人間は浮気する、という前提を飲み込んでもなお結婚できる人を、私は尊敬する。皮肉でなくマジで。