青春デンデケデケデケ

前日、「木更津キャッツアイ ワールドシリーズ」の感想を書いたときに、この映画のことを
忘れていた。
私にとって、青春のけじめをつける映画といえば、これである。

【あらすじ】

1965年、香川県観音寺市で高校受験を控えていた藤原竹良(ちっくん)が、ラジオから聞こえた
ザ・ベンチャーズエレキギターの音(デンデケデケデケ)に痺れ、高校に入ったらロックを
やろうと心に決める。


ところが、田舎なので誰もロックに理解を示そうとしない。
それでも仲間を集めて、お金がないからバイトをして楽器を買い、みんなで練習して人前で
演奏できるようになる。


三年生になり、それぞれの進路を決めなければならない時期になって、ちっくんは大学に行く
ことを決めるのだが、バンドの仲間と別れることが辛い。
受験の前日、ちっくんはバンドの思い出の地を巡る旅に出て、自分の高校生活にピリオドを
打つのだった。


主人公ちっくんを演じていた林泰文が非常に地味なので、あまり有名ではないかもしれないが、
私は大林宣彦監督の作品の中で、「時をかける少女」と同じぐらいこの映画が好きだ。
それに、今はヒゲもじゃ男になってしまった浅野忠信が、初々しいメガネ少年を演じている。
えっ、これが浅野忠信? と驚くこと請け合いである。


公開当時は、けっこう評判もよかったと思う。
後にウッチャンナンチャンの番組でパロディになっていた。
ドラムの岡下巧を演じていた俳優が見事な出っ歯だったので、それをデフォルメしたメイクで
笑いをとっていたと記憶している。


最初に見たときは、なんだかチャカチャカしており、違和感があったのだが、これは大林監督が
愛した8ミリカメラの雰囲気を再現しようとしていたのだと分かった。
つまり、青春映画を、自分の青春時代の道具だった8ミリっぽく撮影しているという構造だった
わけだ。


そうそう、映画の中で演奏されるバンドの音は、みんな本人たちがやっているものだ。
サントラも出ていて(たぶん廃盤になってるだろうけど)なかなか上手だった。
ザ・ベンチャーズのCDと聴き比べてみたけど、うまくコピーしていたと思う。


木更津キャッツアイ」や「スウィングガールズ」や「UDON」が好きな人であれば、きっと
この映画も気に入るはず。
是非ご覧下さい。


本文と写真はまったく関係ありません

ノノ*^ー^)<ジャケットのデザインがちょっと似てますよ?