笑いの基礎的な受容体は、中学生のときに作られるのかもしれない。
つまり、何が面白いかという原体験を求めると、中学生の時期に至るのではないかと。
「めちゃイケ」の学力テストを見て、そう思った。
もう何度もやっていて飽きるはずの企画だが、何度見ても面白い。
本来、芸人と学力テストは無関係のはずなのだが、強引に試験をやらせて、その
バカさ加減を笑うということを発見したのはすごいと思う。
この企画が成り立つ条件の一つは、岡村の教師芸ともいうべき芸人いじりである。
提出された答案用紙から、予想もつかない珍回答を抽出し、それを爆笑までもって
いく手腕は、他の追随を許さない。
本人が立命館大学中退という学歴であり、自分でも学力テストを受けて平均80点を
出しているだけに、教師面(づら)をして威張ってもイヤミにならないのもいい。
もうひとつは、「バカ」という枯渇しない鉱脈を発見したことである。
番組レギュラーのよゐこ濱口もそうだが、Wの辻ちゃん、若槻千夏といった面々が
信じられないようなおもしろ回答を連発してくれる。
しかも、わざとボケようという小細工なしの、天然であるところが素晴らしい。
例えば、三葉虫・シーラカンス・アンモナイトの写真を見せて、これらの名前を
書きなさい、という理科の問題があったが、常人には発想できないネーミングが
あった。<例>
梨花‥‥三葉虫→ツルジスタ、シーラカンス→メトロピス、アンモナイト→ジドロメイド
辻ちゃん‥‥三葉虫→ゲジゲジン、シーラカンス→ボンゴーロ、アンモナイト→
マルマインゲアー
「マルマインゲアー」なんて、天才にしか思いつきませんですよ。
クラスの中で成績の順位をつけ、それに一喜一憂するのは中学生ぐらいまでだろう。
高校生になると、それ以外の価値観があるし、はしゃいでもしょうがねーしな、と
いう大人な判断も生まれるからだ。
ただし、テレビ的には「バカ」である方が面白く扱われる。
一面だけ見ると、テストの成績が悪い子をいじめているようにしか見えないが、
画面に最も映り視聴者に印象づけられるのは「バカ」なのである。
(ところで、この番組に抗議する本当のバカはいるのだろうか?)
だから「バカ」は決して勉強しない。
本来テストは、自分の弱点を発見して、そこを補強する資料にするためのものだが、
幸い、かつて「バカ」の称号を得た人は復習を一切していない。
それでいいのだ。
私は学力テストシリーズの中で、モーニング娘。が出たときのやつが一番好きなのだが、
またやってくれないかなぁ。
参考までに、今回のテストの成績一覧を書いておく。
順位 | 名前 | 国語 | 数学 | 社会 | 理科 | 英語 | 合計点 | 平均点 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 麻木 | 92 | 93 | 86 | 82 | 87 | 440 | 88.0 |
2 | 光浦 | 91 | 90 | 79 | 78 | 95 | 433 | 86.6 |
3 | 加藤 | 77 | 100 | 75 | 69 | 74 | 395 | 79.0 |
4 | 武田 | 74 | 88 | 59 | 70 | 90 | 381 | 76.2 |
5 | 江頭 | 73 | 48 | 78 | 76 | 75 | 350 | 70.0 |
6 | 有野 | 69 | 50 | 56 | 87 | 55 | 317 | 63.4 |
7 | 梨花 | 59 | 68 | 62 | 69 | 38 | 296 | 59.2 |
8 | 鈴木 | 44 | 58 | 38 | 68 | 86 | 294 | 58.8 |
9 | 矢部 | 75 | 57 | 44 | 64 | 52 | 292 | 58.4 |
10 | 辻 | 42 | 71 | 48 | 54 | 29 | 244 | 48.8 |
11 | 若槻 | 55 | 45 | 50 | 57 | 32 | 239 | 47.8 |
12 | 濱口 | 47 | 46 | 42 | 79 | 22 | 236 | 47.2 |