世の中にはメロディメーカーと呼ばれる作曲家がいて、どうやったらこんな曲が
作れるんだろう、と不思議に思う。
名曲といわれる作品は、たいていの場合、ふっと頭にメロディが降りてくるのだ
そうだ。数十分でできたものが、数十年も愛されている。
そうすると、いったいメロディとは何ぞや? と研究する人がいるだろう。
こういうコード進行で、こういうテンポで、このメロディに決めると、ヒットする
のだ、という公式ができそうなものである。
が、いまだにポピュラー音楽の作曲家は、ギターやピアノの前で、何かが降りてくる
まで、うんうん唸っているようである。
コンピューターで作曲ソフトを作った人はいるだろうけど、いまだに日の目を見ない
のは、人間にしかできない something があるからだろう。
(そういや、バーチャルアイドルを作ったけど失敗したな。伊達杏子だっけ?)
20世紀後半のメロディメーカーといえば、ポール・マッカートニーとアントニオ・
カルロス・ジョビンだろう。
いや、人にはそれぞれ尊敬するメロディメーカーがいるだろうから、これは私の
独断ですね。
真夏になると、なぜか聴きたくなるのが、ジョビンのこのCDに入っている
- アーティスト: アントニオ・カルロス・ジョビン,デオダート,ロン・カーター,ハリー・ルーコフスキー,ヒューバート・ロウズ,アービー・グリーン,ジョー・ファレル,ジョアン・パルマ,アイアート・モレイラ
- 出版社/メーカー: キングレコード
- 発売日: 2000/08/23
- メディア: CD
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何ていう楽器で演奏しているか分からないけど(^^;
ところで、私は現代音楽をさっぱり理解できないのだが、ああいう難解な音楽を
作曲できる人は、例えばモーツァルト風の曲とかワーグナー風の曲というのを
サラサラッと書けてしまうのだろうか?
そして、流行歌のような俗っぽい音楽なんて、それこそ朝飯前にできてしまうの
だろうか?
坂本龍一は、ガッチリとクラシック音楽教育を受けた人だが、ジョビンの曲を
レコーディングしており、どういういきさつでそうなったのか興味がある。
また、ショスタコーヴィチはなぜか米国のミュージカル映画「二人でお茶を」の
テーマ曲を変奏した作品を残しているが、これも何を思ってそうしたのか謎だ。
私は、二人ともメロディの良さに魅かれたのではないか、と思う。
高度な理論をものにしている人も、思わず唄いたくなるような曲はなかなか
作曲できなかったのではあるまいか。
結局、人類はまだメロディの秘密を解き明かしてはいないのであるよ。